虫を撮る。

ストロボを使う

ギャラリー     ストロボ撮影の作例

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ホソアシナガバチ
ツインストロボで撮影
冬の終わり、長い越冬の時期を終え、洞から出てきたところを撮影。
このハチは一箇所に集団で越冬することが多い。
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エゾアシナガグモのオス
ツインストロボで撮影
クモのオス触肢は生殖器としての役割がある先端の袋に精子をつめてメスの腹部下にある生殖器に
手渡しで収め先端の袋は置いてくるというものだ。
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ハラビロトンボのメス
ツインストロボで撮影
早朝、草地で休むハラビロトンボの体に朝露が付いていた。
 
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ハンミョウの交尾
ツインストロボで撮影
ハンミョウは裸地を徘徊しながらアリや芋虫などの虫を狩る昆虫だ。一見目立つ色彩は、夏の強い日差しの中では、効果的な保護色となる。
すばやく走り、急に止まるその動きが加わることで、見失うことが多い。しかし、交尾のときはジッとして動かず、このように接近しての撮影は容易だ。
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アオイトトンボ
ツインストロボで撮影
アオイトトンボは田んぼなどで普通に見られるイトトンボだ。普段見過ごしていたトンボだが
その小さな複眼に接近してみると、清々しい空のような、明るく深みのある蒼が美しい。
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羽化直後のミンミンゼミ
ツインストロボ + 改造 発光部延長ストロボ で撮影
セミの羽化はドラマチックだ。羽化したての成虫の体は透き通るようで美しい。
 
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トビイロトラガの幼虫
ツインストロボ + スレーブストロボ で撮影
イモムシや毛虫は嫌われやすい。その姿が人間とはあまりにも違うというのもその原因の一つだろう
 
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ミミズを捕らえたハンミョウ
ツインストロボ + スレーブストロボ で撮影
ハンミョウの獲物はアリが多いような気がする。しかし実際に好物なのはミミズやイモムシのようで
こういう獲物を捕らえたときは、比較的近くまで接近させてくれる。
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巣上のオニグモ
改造 発光部延長ストロボ で撮影
ヤマシロオニグモではないかと思うのだが、同定はできない。
ストロボの光で透けた脚はガラス細工のようで美しい。アブラムシを捕らえているようだ。
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毛虫と水玉
ツインストロボ + 改造 発光部延長ストロボ で撮影
ゴマダラキコケガの幼虫だと思う。池の周りの木柵の上で一夜を明かしたのか、
前夜の雨粒が彼の長い毛を飾り付けていた。
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枯れ草のアオオニグモ
ツインストロボ + 改造 発光部延長スレーブストロボ で撮影
亜成体だろうか。真冬に見つけた美しい緑のクモは枯れ草の上でじっとしていた。、
ヒトに嫌われることの多いクモだが、丁寧に見れば美しい姿をしている種類も多い。
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フサヤガの顔
ツインストロボ + 改造 発光部延長スレーブストロボ で撮影
枯れてめくれた木の皮や枯葉に擬態する蛾で、うっかりすると見過ごしてしまいそうになる。、
擬態中はうつむいていてよく見えない顔は、フクロウのようでもあり、なかなかかわいい。
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 威嚇するオオカマキリ
ツインストロボ + 改造 発光部延長スレーブストロボ + スレーブストロボ で撮影
羽化したてのオオカマキリを見つけた。体がまだ完全に固まっていないのか、その場をあまり移動せず、盛大に威嚇して見せてくれた。

使用ストロボと機材改造

SONY HVL-MT24AM

 発光部が二箇所あるツインストロボです。マニュアルモードでは左右別々に光量を調整でき、二本のアームを使用して、ある程度自由にライティング位置を決められます。また、付属のワイドパネルやデフューザーを利用してさまざまなライティングか可能です。


SIGMA EF-530 DG SUPER

 マルチ発光やワイヤレス制御による自動調光発光、スレーブ発光など多機能のクリップオンストロボです。私は主にスレーブストロボとして使用しています。


改造
発光部延長
スレーブストロボ

小型のスレーブストロボの発光部を針金とビニールチューブで延長した、ワイヤレスストロボです。
GN20の小型スレーブストロボの発光部を延長しています。延長しているビニールチューブには自由素材とかいう針金が入っていて、自由に曲げられます。 また、ゴリラポッドというコンデジ用のフレキシブル三脚に取り付けてあるので、木の枝などに固定することも可能です。

改造
 発光部延長ストロボ

発光部をステンレスの繰り出し竿に取り付けた、改造ストロボです。逃げやすい虫の背後方向から光を当てた撮影などで時々使います。
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GN20のストロボの発光部を延長しています。写真は初期型で、針金で発光部を支えていますが、現在はステンレスの繰り出し竿(ラジオのアンテナみたいな物)を使用しています。カメラ本体とはシンクロコードで 接続しています。
 写真で、カメラのホッとシューと、レンズ先端に付いているのが、ツインストロボSONY HVL-MT24AMです。

 
 

注意事項!!
 このページで紹介する内容を参考に、レンズやストロボなどに、改造を加えたことに起因するいかなる損害に対しても、占部友一は一切責任を負いません。
 機材の改造は、自己責任でお願いいたします。
 占部友一はこのページで閲覧者にストロボの改造をお勧めするものではありません。ストロボの改造は、カメラやレンズの破損や火災を招く恐れがあり、最悪感電死など健康を損なう結果につながる危険が非常に高い行為です。  

ストロボ

 被写界深度を深くしたい(虫の全身にピントが合った写真を撮りたい)、ブレを無くしたい、という場合に、 どうしても必要になってくるのがストロボです。スピードライトとかフラッシュとか呼ぶ場合もあります。 確かストロボというのはどこかの商標で、あまり使ってはいけない呼び方かもしれませんが私はストロボと呼びたいと思います。


虫を撮る時のストロボの利点

 マクロレンズで近接撮影する場合、ピントの合う範囲(被写界深度)は非常に浅くなります。色彩や姿の素晴らしさを撮影しようとしても、実際にピントが合うのはほんの一箇所となることがほとんどです。
 被写界深度を深くするためには、絞りを大きく絞り込むことになります。しかし、この場合、相対的にシャッター速度は遅くなります。これは、手振れや被写体ブレの原因となります。せっかく深度が深くなっても ぶれてしまっては画面全体が不鮮明となります。
 こんな時、ストロボを使用することが最も簡単な解決策となります。被写界深度を深くするするために絞り込んだことで不足する光量を、ストロボの強い閃光で補うことで、早いシャッター速度を 稼ぐことができるのです。結果、ブレることはほとんどなくなります。うまく行けば、微小な体毛の一本いっぽん、複眼の一つひとつまで、鮮明に描写することができます。


様々なストロボ

ボディー内蔵ストロボ

 デジイチのペンタ部に内蔵されているストロボでも使える場合はありますが、虫の写真ではあまり都合が良くありません。
 虫に接近しているとき、虫の位置からはレンズのかげに内蔵ストロボが入ってしまうのは想像できるでしょうか。そういう状況はつまり、ストロボの光が虫に当たらないということです。そこまで接近しない、虫には光が当たる時でも、撮影した画面の下のほうにレンズの影が映ってしまうことがほとんどです。  これを解決するグッズとして、デフューザーというものが販売されています。これは非常に有効なグッズで、レンズ先端にゴムで固定する半透過の白い円盤のようなものです。外付けストロボに比べればとても安価ですからお勧めです。ネットで検索してみてください。

クリップオンタイプ外付けストロボ

 一般的な外付けストロボは内蔵ストロボに比べればレンズからの発光部の距離が大きくなるので、レンズの影に虫が入ることは少なくなるのですが、発光部の方向を下向きに曲げられるタイプでない限り、 虫を撮るような状況では内蔵ストロボと同じといって良いと思います。
 もし、これから虫を撮るためにストロボを選ぼうとする時には、よほど慎重に選ばないと大失敗となります。

ツインストロボ・リングライト/ストロボ

 虫の撮影で有利なのは、ツインストロボと呼ばれる発光部が2箇所ありレンズ先端に近い位置で発光するものと、リングライトというレンズのフィルターねじに取り付けるリング状のストロボが一般的です。
 何れも、レンズの影が映りこまない構造となっています。やや高価なため、購入にはかなり躊躇される方も居られると思いますが、虫を撮るなら、その効果は絶大です。ただし、リングライトでLEDを使用したものは光量が小さいため シャッター速度を稼げず、虫を撮る場合ほとんど意味がありません。私はツインストロボを使用していま。  

スレーブストロボ

 その他に、スレーブストロボという、カメラに接続したストロボの発光にあわせて、離れた場所で発光するストロボもたいへん有効です。虫を撮るなら是非一つは持っていて良いと思います。
 注意したいのは、自分のカメラで発光するかどうかということです。
 内蔵ストロボの光量をオートで調整する場合、プレ発光→計算→本発光という順序でカメラが動作する場合が多いのですが、これだと、 スレーブストロボ側が、そのカメラのプレ発光をきちんとプレ発光として認識し、本発光のときに発光してもらわないと困ります。これがうまくいかないと全く意味がなくなってしまいます。
 プレ発光を解除していきなり本発光する設定がカメラでできれば、たいていのスレーブストロボは問題なく動作するでしょう。プレ発光を解除できない機種もあるので確認が必要です。 因みに私のα350はこれができません。
 スレーブストロボ側に対応メーカーや機種の記載がある製品もありますので、購入時は自分のカメラでコントロールできることを確かめて選びましょう。

実際の画像

  光による違いがよく出ている写真を集めているので、写真そのもののできは見逃してください。  モデルはハンミョウです。レンズは全てアポテレマクロ200mmF4Gでエクステンションチューブ36mm付、カメラはα-7Dです。


 

太陽光で撮影 絞りF4.0


 太陽光で撮影しています。太陽光といっても、順光・逆光・斜逆光など、いろいろですが、私が好きなのは逆光ぎみの光です。 その場の雰囲気がよく出ますし、立体感とか、コントラストとか、実に素敵な光だと思います。虫のポートレートでは、こんな感じで撮っています。


 

太陽光で撮影  絞りF6.7

PICT3684n.jpg
 しかし、動く虫相手だったり、手持ち撮影だったりでは、思い切り絞り込む事が出来ません。シャッタースピードが長くなりブレてしまうからです。シャッタースピードを短くするために絞りを開けた場合、このように接近すると被写界深度はさらに浅くなり、虫全体の姿を写しとめることは非常に困難です。


  

内蔵ストロボで撮影 絞りF19

PICT3674nn.jpg
  内蔵ストロボを使用して絞りを絞り込めば被写界深度は深くなります。結果、虫そのものの姿は鮮明になります。しかし、写真としては平面的でおもしろくありません。
 レンズの軸と内蔵ストロボの光の方向が平行で距離が近いせいで、虫の影がほとんど写らず、立体感が失われてしまいます。


  

ツインストロボで撮影 絞りF32

PICT5637nn.jpg
 このストロボ(SONYマクロツインフラッシュ)の場合、レンズの中心から、発光部を、20センチ以上離すことができ、その距離は無段階と言うわけには行きませんが調整可能で、発光部の角度も変えられます。また、発光部にはワイドパネルまたは、デフューザを装着可能で、マニュアル調光で左右別々に光量を選択できます。 この写真のときは、左の光量を最大にして、ワイドパネルを装着、右の光量を1/8にして更にデフューザーをつけています。影ができたことで虫に立体感が出ました。


 

ツインストロボで撮影 絞りF22

PICT9200n.jpg
 しかし被写体との距離が離れるほど、ツインストロボの効果は現れにくくなります。お分かりだと思いますが、レンズ中心から発光部の距離がいくら離れていても、被写体までの距離が遠ければ、 相対的に距離は小さくなりその効果も小さくなります。発光部の角度も虫を照らすために、レンズの軸と平行に近くしなくてはいけません。つまり、内蔵ストロボとあまり変わらないという事です。


 

 ツインストロボ + スレーブストロボで撮影 絞りF22

PICT9181n.jpg
 スレーブストロボ(カメラに装着したストロボの発光に合わせて発光するワイヤレスのストロボ)を併用しています。
 ツインストロボは、光量を小さくして、スレーブストロボは右側から、最大で発光しています。
 太陽の高い時間に活動するハンミョウの写真としては、いかにもうそ臭くて、申し訳ないのですが、立体感と言う意味ではツインストロボだけよりも効果があると思います。  ただ、スレーブストロボを設置する時に、多くの虫は逃げます。これはものすごい欠点です。  この日は、あぐらをかいて撮影していたのですが、ハンミョウが集まる陽だまりが小さかったので、予め設置しておいてハンミョウがよい位置に来るのを待って撮影しています。


 

ツインストロボ + 改造 発光部延長ストロボで撮影 絞りF22

PICT9168n.jpg
 改造 発光部延長ストロボで撮影で撮影しました。発光部を延長した異様な照明装置です。
 スレーブストロボの方が、上手くいったときの結果は良いのですが、何しろ逃げられることが多いので、このようなストロボを作ろうと思ったのです。
 この写真では、発光部をハンミョウの真上に伸ばして撮影しています。炎天下に活動するハンミョウの雰囲気が少しは出たと思うのですがどうでしょうか。 ただ、このストロボ、言うまでもなく市販されていません。改造は最悪感電死する恐れがありますから皆さんにはお勧めできません。また、かさばるので移動の際とても邪魔です。
 そこで最近の撮影では、一脚と三脚を合体させたようなスタンドを自作し、その上に大光量のスレーブストロボ(SIGMA EF-530 DG SUPER) を乗せて、撮影をしています。