虫を撮る。

ボードレンズで虫の目 2 ショートタイプ

虫の目レンズとは

虫は大きく、背景は鮮明に
虫の目レンズとは何か。

魚露目8号で虫の目

現在のスタンダード虫の目?
魚露目8号というコンバーターで作る。

ボードレンズで虫の目 1

監視カメラ用ボードレンズで作る。
ロングタイプ虫の目レンズ。

ボードレンズで虫の目 2

監視カメラ用ボードレンズで作る。
ショートタイプ虫の目レンズ。

虫の目での撮影法

虫の目レンズで撮影する時の設定。
絞りやシャッター速度等。

機材技術協力/参考サイト

虫の目レンズ技術協力サイトの紹介
私のサイトを参考にしてくださったサイト

 
 

注意事項!!
 このページで紹介する内容を参考に、レンズやストロボなどに、改造を加えたことに起因するいかなる損害に対しても、占部友一は一切責任を負いません。
 機材の改造は、自己責任でお願いいたします。
 占部友一はこのページで閲覧者にストロボの改造をお勧めするものではありません。ストロボの改造は、カメラやレンズの破損や火災を招く恐れがあり、最悪感電死など健康を損なう結果につながる危険が非常に高い行為です。  

ギャラリー     ボードレンズでのショートタイプ虫の目レンズの作例

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若いシュレーゲルアオガエル
使用ボードレンズ:G1.9
ススキの葉につかまっているシュレーゲルアオガエル。まだ若く小さな個体だった。
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イトトンボ
使用ボードレンズ:G2.0
ホソミイトトンボだろうか、自信は無い。青の美しいトンボ
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ミンミンゼミ
使用ボードレンズ:G2.0
タカラダニが付いているミンミンゼミ。 
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ハラビロカマキリ
使用ボードレンズ:G3.8
樹上で良く見かけるハラビロカマキリ。
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ハラビロカマキリ
使用ボードレンズ:G2.0
秋が深まり卵で腹が膨れたメス。

より採用されることが多い、ショートタイプ虫の目レンズ

 より採用される期会の多いボードレンズを使用した虫の目レンズというと、ボードレンズの像を、広角単焦点レンズをリバースして拡大結像させるタイプです。私はこれをショートタイプと呼んでいます。  これはレンズの全長が短く、非常にコンパクトなつくりとなっています。
 おそらくショートタイプのほうが作成は簡単です。また、費用も少なくてすむでしょう。しかし、高画質を得ようとするとそれなりに試行錯誤が必要ですし、その分費用はかさんでいく物と考えてください。
 また、ショートタイプでは、構造上、自動絞りやAFは使えません(マウントや工夫次第で可能となるかも)ので、外見はコンパクトですが、撮影の難易度は魚露目8号を使用した物とは全く異なります。

ショートタイプ虫の目レンズの構成


 左の写真は技術協力サイトで紹介する皆様の機材を参考に私が組み立てたショートタイプの自作虫の目レンズです。
 ショートタイプは大きくわけて6つのグループに分けることができます。これを左の図でA〜Fとし、それぞれについて解説します。

A:ボードレンズ
 ボードレンズはG1.9、G2.0 G3.8 など数種類存在しますが、G1.9が一般的です

B:ボードレンズのマウント及びリバースした広角レンズへの接続部
 今回は市販のパーツで構成しました。後ほど詳しく解説します。

C:広角レンズのリアキャップの改造部品
 改造はいたって簡単ですが、精度が低くなると光軸がずれますので画質に大きく影響します。

D:広角レンズ
 dada式では別々に存在した拡大系と結像系を広角レンズ一本が担う形になります。

E:リバースアダプタへの接続部
 広角レンズをリバースして使用するためのアダプタへ広角レンズを接続するための部分で、ガラスを取り除いたフィルター等で構成しています

F:リバースアダプター
 マクロレンズ以外のレンズで接写を行う時、レンズを前後逆にしてボディーへ取り付ける手法があります。この手法を実現するための市販の部品です。

各部の詳細

A:ボードレンズ
ボードレンズ各種
 ボードレンズはG1.9、G2.0 G3.8 など数種類存在しますが、G1.9が一般的です。数字が上がるほど望遠レンズの性格が出ますので虫の目レンズとしては適さなくなります。
 G2.0を採用しましたが、好みの問題ですので絶対これがいいということではありません。選択したレンズによりB・Eの部分の長さは変わってきます。調整は自分で苦労するしかありません。



B:ボードレンズのマウント及びリバースした広角レンズへの接続部
Cマウント用接写リング6点セットYS-2000
両メスリング
M13/CSマウント変換アダプター
 私はユニエル電子さんから、接写リング6点セットYS-2000を購入しています。これは長さの違う中間リングのセットで、組み合わせにより、細かな長さの調節が可能となりますのでお勧めです。
 このほかに両メスリングとM13/CSマウント変換アダプターを購入しています。ぞれぞれ、広角レンズとの接続、ボードレンズとの接続に使用します。また、5mmの中間リングをYS-2000とは別に購入しています。

C:広角レンズのリアキャップの改造部品
広角レンズのリアキャップ中央にCマウント用に穴を開けたもの
 Cマウント用接写リングのネジ部分ぎりぎりの大きさで穴を開け、Cマウント用接写リングで挟み込んで固定します。改造はいたって簡単ですが、精度が低くなると光軸がずれますので画質に大きく影響します。今回紹介している部品の構成では、光軸ズレの原因となるのは基本的には ここだけということになりますので、ノギスやコンパスを用いて集中して穴を加工してください。
 失敗したら、ハードオフなどでジャンクを購入してやり直しましょう。

D:広角レンズ
広角レンズ コシナ20mmF2.8
 dada式では別々に存在した拡大系と結像系を広角レンズ一本が担う形になります。
今回私はコシナの20mmF2.8を使用しました。今回の組み合わせでは画質が良くないので、結果的には失敗だったようです。より広角であるほうが、拡大率が上がりますので 虫の目レンズとしてはコンパクトに仕上げることができるでしょうが、24mm〜35mm辺りが良いようです。また、レンズ各々にはボードレンズとの相性が存在しますので、それは実際に組み立ててみないとわかりません。
 やはり自分で試行錯誤を繰り返すしかないでしょう。
E:リバースアダプタへの接続部
SONYツインフラッシュ用アダプタ
 広角レンズをリバースして使用するためのアダプタへ広角レンズを接続するための部分で、ガラスを取り除いたフィルター等で構成しています。
 私の場合照明装置はSONYマクロツインフラッシュを使用しますので、左の写真に上げた部品を組み込む必要があるためdada式でも紹介したOMリングセットを 使用し複雑な構造となっています。しかし、影取などの、デフューザーでも好成績を収めている方が居ますので、単にガラスを取り除いたフィルター枠を数枚組み合わせることで作成可能です。 ジャンク品などを購入することをお勧めします。
 ただし、ステップアップリング又はステップダウンリングが必要となる場合がほとんどですので、使用する広角レンズとリバースアダプターのフィルター径にあわせて購入してください。
F:リバースアダプター
リバースレンズアダプタ
 マクロレンズ以外のレンズで接写を行う時、レンズを前後逆にしてボディーへ取り付ける手法があります。この手法を実現するための市販の部品です。
 私はディスカバーフォトさんで購入しました。





組み立て
組み立て
1.リバースレンズアダプタ 2.E群(フィルター枠などで構成) 3.広角レンズ 4.Cマウント用接写リング5mm 5.広角レンズのリアキャップの改造部品 6.両メスリング  7.Cマウント用接写リング2mm 8.Cマウント用接写リング10mm 9.Cマウント用接写リング1mm 10.Cマウント用接写リング5mm 11.M13/CSマウント変換アダプター 12.ボードレンズG2.0
1.リバースレンズアダプタ 2.E群(フィルター枠などで構成) 3.広角レンズ 4.Cマウント用接写リング5mm 5.広角レンズのリアキャップの改造部品 6.両メスリング  7.Cマウント用接写リング2mm 8.Cマウント用接写リング10mm 9.Cマウント用接写リング1mm 10.Cマウント用接写リング5mm 11.M13/CSマウント変換アダプター 12.ボードレンズG2.0  



最終的な調整

 これで組み立てが完了するわけではありません。上記はレンズそのものの仮組みに過ぎません。使用するカメラとの接続がまだです。カメラとの接続は、しっかりと像を結んで完了となります。そのためには  最初に紹介した写真のB・E〜Fの部分の長さを調整する必要があります。
 まず、Bの長さを調整する場合、ここが短いほどケラレが少なくなるのですが、短さにも限界があります。あまり短いとCの広角レンズの焦点距離から外れてしまうので結像しなくなってしまいます。また、Bの距離と E〜Fの距離はどうやら同時に変化する関係があるらしく(専門知識がないためアバウトですみません)Bを調整した場合もれなくE〜Fも調整する必要が出てきます。  より高度な作成者はBの内部にフィールドレンズと呼ばれる拡大用のレンズを組み込んだりします。私も手持ちのジャンクからいくつかのレンズを試しましたがあまり良い結果は得られませんでした。 ただ、傾向としては片凸の接合レンズが向いているようです。フィールドレンズを入れると、ボードレンズ、フィールドレンズ間の距離、フィールドレンズ、広角レンズ間の距離、広角レンズ、カメラ間の距離が 同時に変化しますのでさらに複雑になることはご想像いただけるかと思います。ただしこれはdada式ではもれなく付いてくる問題ですのでショートタイプだけが複雑ということではありません。
 さらに、Fとカメラの間には中間リングやテレコンバーターなどで、画質とケラレを総合して使用者が妥協できる組み合わせを見つけ出す必要があります。

   できるだけ、ご理解いただけるように基本的な構造を私の知識の範囲でご紹介しましたが、やはり、こればかりは実際にご自身で努力されるより他ないと思います。この難解な説明をお読みいただいた上で、 虫の目レンズの世界に足を踏み入れようと思われる方がもし居られましたら、微力ながらお手伝いはさせていただきたいとおもいます。
 でも、手始めは魚露目8号がお勧めです。撮影方法を飲み込むまで少し大変かもしれませんが面白い写真が簡単に撮れると思います。